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『すべてがFになる』ネタバレ最終話「有限と微小のパン」原作の真相 [すべてがFになる あらすじ・ネタバレ]

今回の「すべてがFになる」最終話となる、第9話と10話「有限と微小のパン」のネタバレとあらすじを、”原作”ベースで書いていきますので、最後まで読んでくださいね。

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繰り返しになりますが「有限と微小のパン」は工学博士にして人気作家の森博嗣氏の同名小説(講談社)で「S&Mシリーズ」の作品のひとつです。


以下は原作小説「有限と微小のパン」の事件の 真相、結末、密室トリック
などのネタ バレ内容を含みます。

ドラマ版「有限と微小のパン」の内容とは 異なる箇所も幾つかありますのでご了承ください。▼“天才”に管理されたテーマパーク

西之園萌絵は日本を代表するソフトウェアメーカーで長崎のテーマパーク「ユーロパーク」を運営するナノクラフトの大口株主だった。

ナノクラフト社長の塙理生哉は、現在のIT業界で一番の成功者と言われる人物で、かつて萌絵の父親が決めた婚約者であった。

同大助教授の犀川創平ゼミでは例により、萌絵のコネにあやかって、ユーロパークへの旅行を計画していた。

萌絵と友人で医学部の反町愛、ゼミ生の牧野洋子の3人は予定の3日前に長崎入りし、一足先に旅行を楽しもうとしていた。

ユーロパークにはいくつかの噂があった。

ペンションが立ち並ぶ通路で、ロボットのドラゴンに人が噛まれ、死亡したが、死体は発見されていない。

誰かが流したデマだとされていたが「シードラゴン事件」として名は知れていた。

そしてS&Mシリーズの原作の一つ「すべてがFになる」、そしてドラマの第5話と第6話との関連になるが、孤島の真賀田研究所から抜け出し、一度警察に捕まったはずの天才プログラマ、「真賀田四季」をユーロパーク内にあるナノクラフトがかくまっているという噂もあった。

それが真実であれば、テーマパークは四季によって管理されている可能性があった。



▼犀川が察した危機感

名古屋から東京に出張していた犀川は、その帰りに横浜にいる妹で雑誌記者の儀同世津子のアパートへ寄る。

儀同は自宅で仕事をするとき、双子の赤ちゃんを隣人の瀬戸千衣に面倒を見てもらっていた。

犀川が訪れると、瀬戸は顔を赤らめ、慌てた様子で部屋を出る。

儀同は執筆中のRPGゲームの謎について犀川に質問。

ナノクラフトが作ったそのゲームのエンディングで、主人公が宮殿のような大広間で僧侶にこう言われる。

「汝、選ばれし者、ここに跪きて、我らの父より、一片のパンを受けよ」。

彼女は犀川にその真相をナノクラフトから聞き出してほしいとお願いする。

萌絵たちが長崎に着いた頃、犀川は何気なく萌絵のホテルの部屋へ電話を掛け、安否を確認し、自分の状況を説明する。

その後、名古屋へ帰る新幹線で、車内に犀川を呼ぶアナウンスが流れる。

電話が掛かっていた。

相手は真賀田四季で、犀川を待っていると言った(四季は長崎にいることをほのめかす)。


同時に萌絵の部屋の電話が盗聴されていることに気付いた犀川。

名古屋に着いた後、萌絵に警察に通報するよう連絡し、自ら車で長崎へ向かった。



▼教会から消えた死体

その頃、萌絵はナノクラフトの社長、塙理生哉に研究所を案内されていた。会社はテーマパークから離れた高層ビルにあったが、研究所はテーマパークの地下にあった。
エレベータで地上へ上がり、教会へ出る。

その後、地下へ戻って理生哉とお酒を飲む。
何か薬が入れられており、萌絵は意識をなくし、目を覚ますと四季がいた。
四季は「今夜不思議なものを見る。
人が死ぬ」などと萌絵に告げる。

盗聴疑惑があり、萌絵は目を覚ました後、外の公衆電話から犀川に事情を話し、警察に通報する。

そのとき、教会から鈍い音が聞こえる。

一緒にいた牧野と反町とともに中を調べると、ナノクラフトの秘書、新庄久美子が倒れ、その奥に同社のプログラマ、松本卓哉が死んでいた。

天井のガラスが割れ、その窓に当たって死んだようだった。

警察が到着し、外で事情を説明している間に、新庄が悲鳴を上げて飛び出してくる。もう一度中を調べると、松本の死体はなくなっており、腕が一本だけ取り残されていた。

天井から死体を釣り上げた可能性を警察は調べたが、何も証拠は出てこなかった。



▼目撃者の死で深まる謎

真賀田研究所の事件で萌絵と一緒だった愛知県警の芝池という刑事が長崎県警に異動しており、彼が今回の事件を担当することに。

萌絵たちは信頼する人物と行動することができ、一安心する。

教会の事件の目撃者である新庄に話を聞くため、芝池と萌絵たちは社内にある新庄の住居を訪れる。バスローブ姿の新庄は一度顔を出し、着替えてくると言ってドアを閉めて間もなく、中から悲鳴と物音が聞こえる。

マスターキーを使って芝池が中に入り、新庄が死んでいることを確認した(萌絵はこのとき死体を確認していない)。



▼ 新たな事件はバーチャル空間で

事件の謎に迫ろうと、研究所内を調査する萌絵たちは、ナノクラフトが開発中のバーチャルリアリティを体験できる「PVR」の存在を知る。

特別に萌絵と副社長の藤原博が被験者になりPVRを試運転する。

たまたま操作できる人がいなく、その日オフだったプログラマの加古亮平と臨時で雇われているマスク姿の女性プログラマが担当した。

PVRは特別なスーツを着て、体の情報を電気信号に変えて発信。

反対に相手の電気信号を受信する。

ヘルメットの液晶画面から映像が流れる。

二人は別々の部屋にいるが、バーチャル空間では同じ部屋の中にいるように見える。体全体の接触は開発中だが、右手だけ触感を得ることができ、2人はテニスやビリヤードなどのゲームを楽しむ。

突然、萌絵の映像に黒子が現れた。黒子はナイフを握り、藤原を刺した。

しかし、その映像は萌絵にしか見えていない。

PVR終了後、藤原は実際にナイフで刺され、死亡していた。



▼ すべてはアトラクション

長崎に到着し、一連の事件の情報を集めた犀川。

元ナノクラフト社員で、真賀田研究所のプログラマだった島田文子の協力の下、四季が潜んでいるとされる研究所地下の、社員でさえ立入禁止のダークルームと呼ばれる部屋へ進入する。

ダークルームのシステム開発に島田が絡んでいたため、容易にブロックを壊せた(彼女は四季についての情報を持ちすぎたと噂され、会社を解雇された)。

暗闇の中、専用のゴーグルを装着してバーチャル映像を元に部屋を歩き回る犀川。

ある一室で四季に出会い、そこでトリックの解説を行う。

事件は本来、四季が萌絵を楽しませるためのアトラクションで、死人を出す予定はなかった。



▼明かされるトリックの全貌

まずは教会での事件。新庄が松本を殺し、台車か何かで裏口から死体を運び、自分の車へ隠した。

天井の窓はラジコンなどの機械で壊した。

残された腕は作り物だった。



そして、これらはすべて四季が作ったシナリオだった。

芝池刑事は警察を退職し、ナノクラフトに雇われていた人物。

最初に事件現場を捜査した警察も含め、すべてが偽物だったのだ。

つまり、その場にいた関係者全員が芝居をしていたことになる。



新庄が部屋で殺されたとき(実際は生きていたが)、確認したのは芝池だけだった。

新庄が松本を殺してしまったのは(動機については明確にされておらず)予定外だったが、四季はその後の処理が面白いという。

新庄は松本の殺人を追及されないよう、藤原副社長も殺す計画を思いつていた。

会社全体を巻き込み、それを隠れ蓑にしようとした。

黒子が現れるプログラムは初めから組み込まれており、臨時のプログラマとして立ち会った新庄が藤原の着替えを手伝う際に刺し、逃走。

「シードラゴン事件」の噂も演出の一環で、本来はこの時点で松本も藤原も新庄も生きていたというネタばらしが行われるはずであった。

これらの後、ようやく本物の警察が来て捜査が行われる。



▼四季の本当の居場所

その後、新庄は空港の船着き場で警察に拘束される。

バーチャル空間は遠隔操作ができ、ダークルーム内に四季はいなかった。

犀川はダークルームで四季とともに長い間歩き続け、海岸で白く光る四季を見たのが最後だった。


犀川は長崎から儀同の自宅へ向かった。

最後に見た白い光は夜が明けたということに彼は気付く。

九州よりも早く夜が明けた場所を計算し、横浜にたどり着いた。

アパートに着くと、そこに四季が現れる。

儀同の隣人は瀬戸千衣(せとちい)。

逆から読めば「いちとせ」。

一歳とは春夏秋冬、四季のことを表す。


四季は犀川が儀同の自宅を訪れたときから彼の後を付け、萌絵に掛けた電話を近くで聞き、新幹線に乗ることもわかっていた(このため、ホテルの電話は盗聴されていなかった)。

四季は儀同の隣の部屋でバーチャルリアリティを使い長崎とコミュニケーションを取っていた。

四季は引っ越しの準備を済ませ、アパートを後にする。

犀川は四季の部屋に入ると、機材はすべて運びだされ、白いテーブルだけが残されていた。

犀川は思う。「現実と虚構の差はないのかもしれない。」

「そんな僅かなものに我々は怯え、そんな微小なものに我々は生と死を分ける。」

「有限の生と、微小の死を」。

テーブルの上には、一口だけかじられた小さなパンがあった…。


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