今回の「すべてがFになる」第7話もネタバレ満載ですのでご注意ください!
それから「数奇にして模型」は、武井のコスプレ姿が披露されます!
それもなんと!
「戦隊ものヒロインの女剣士」と「ナース」のコスプレ姿です!
「数奇にして模型」は工学博士にして人気作家の森博嗣氏の同名小説(講談社)で「S&Mシリーズ」の作品のひとつ。
『数奇にして模型』を2話完結のドラマ化し、第7・8話で放送。
▼プロローグ
西之園萌絵(武井咲)は、従兄で有名作家の大御坊安朋(小松和重)から緊急事態だと連絡を受け、彼が主催するイベント会場にやってくる。
そこは模型とフィギュアが展示された「モデラーズフェス」で、有名モデラーや造形師が作った作品にマニアが集まり、雑誌記者の儀同世津子(臼田あさ美)も取材に来ていた。
そんな会場の控室で大御坊は萌絵に、SFのコスプレスーツを着てくれと頼む。
それを着るはずだった筒見明日香(山川紗弥)と連絡が取れなくなったため、萌絵に代役としてイベントに出てほしいと言う。
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同じ頃、犀川創平(綾野剛)も喜多北斗(小澤征悦)と会場にいた。
ふたりは大御坊の中学高校の同級生で招待されていたのだ。
大御坊の頼みを断り切れなかった萌絵は、渋々スーツを着ることに。
するとそこへ、筒見明日香の兄の筒見紀世都(中島歩)が来て「寺林高司」を知らないか、と大御坊に尋ねる。
寺林高司が第二控室の鍵を持ったまま連絡が取れないので、みんなが困っていると言う。
そんな時、廊下から悲鳴が聞こえ駆けだした萌絵は、守衛によって開けられた第二控室を覗く。そこには、頭部が切断された筒見明日香の遺体があった。
さらに近くには出血して倒れている男――寺林高司(山本耕史)がいた。
そこへ、鵜飼大介(戸次重幸)と片桐誠人(坂本真)が駆け込んでくる。
鵜飼は別の事件の容疑者となっている寺林高司を探していたのだ。
一方、萌絵の視点は、鵜飼の後ろにいた犀川に釘付けになる。
▼今回の登場人物
犀川創平(綾野剛):国立N大学建築学部の助教授。
西之園萌絵(武井咲):国立N大学前学長の娘で、犀川の教え子。
筒見豊彦:M工業大学教授。
筒見紀世都:筒見の息子。芸術家。
筒見明日香:筒見の娘。モデル。
河嶋慎也:M工業大学助教授。
寺林高司:M工業大学・社会人大学院生。
上倉裕子:M工業大学大学院生。
事件は2日間の交換会の初日と、交換会が終わって3日後の夜に”2つの密室”で発生する。
そして、犯人は一人ではなかった。
▼あらすじ
ー第一の殺人ー
公会堂で開催された模型交換会で、「戦隊もの女剣士」コスプレ・モデルの筒見明日香が遺体となって発見される。
しかも、頭部が切断された状態で…。
中には、殴られて気絶していたというM工業大学大学院生・寺林高司が居た。
現場は内側から施錠された密室であった。
寺林高司は、「何者かに気絶させられた」と証言し犯行を否認しするが、現場の状況から警察は寺林高司に疑いの目を向けていた。
ー第二の殺人ー
同じ時間帯に実験室で、寺林高司と同じ院生の上倉裕子が絞殺死体で発見される。
上倉裕子と寺林高司は交際関係にあった。
この部屋も出入口には施錠がなされており、密室状態であり、鍵は寺林高司が所持していたため、上倉裕子と筒見明日香の殺害容疑が掛けられる。
じかし、犀川や警察は、寺林高司を犯人とするには、あまりにも自身が不利になる状況で、しかも殺害現場に留まる理由も無く不可解と思われ、別に犯人がいるのではないかとの推測も立て捜査を進めて行った。
ー第三の殺人ー
交換会終了後、筒見明日香の兄で彫刻家の筒見紀世都が仕事場を兼ねた倉庫で焼死体で発見された。
彼が犯人の可能性も考えられたが、萌絵は筒見紀世都が犯人とするには不自然な点も多いと疑問を抱き、寺林高司への疑いを捨てきれずに捜査を継続していた。
そんな折に突如、寺林高司は萌絵に襲い掛かったが、犀川が駆けつけて事なきを得る。
観念した寺林高司は、研究室での上倉裕子の殺害と、筒見紀世都を焼死させたのは、自身の犯行だと認める。
そして、公会堂で筒見明日香の頭部を切断したのも寺林高司と判明する。
しかし、筒見明日香殺害は、上倉裕子による犯行だった。
▼上倉裕子が筒見明日香を殺害
上倉裕子は寺林高司と筒見明日香が深い関係にあると勘違いし、公会堂に筒見明日香を呼び出して鈍器で撲殺した。
交換会の準備で同じ場所に居合わせた寺林高司も上倉裕子に殴られたが、軽傷で済んだ。
上倉裕子は寺林高司に対し殺意はなく、とっさの行動と思われる。
寺林高司は室内で筒見明日香の死体を発見する。
▼寺林高司が筒見明日香の首を切断
寺林高司はフィギュアが専門で、独自の美学を持っていた。
以前から、その理想型である筒見紀世都の等身大の人体模型を作りたいと考えていた。
筒見紀世都に近づくため、まずは妹の筒見明日香に接触を図ろうとしていた。
そんな折に、筒見明日香が公会堂で死亡しているのを発見したが、何者かに襲われ、意識を失ってしまった。
意識を取り戻した時に、筒見明日香の死体で筒見紀世都の型取りを行うリハーサルをしようと考えた。
筒見紀世都の型取りの時を想定し、失敗しないよう筒見明日香を実験台に練習をしたかったのだ。
しかし当時、頭の分量しか手持ちのシリコンがなかったので、一番複雑な型取りになる頭部で練習してみようと、筒見明日香の首を切断した。
しかし、筒見明日香殺害の犯人として真っ先に疑われるのは自分だ。
その為にも今、犯人として捕まるわけにはいかない。
そこで、アリバイを作るためと型取りの道具を取りに研究室を訪れ、上倉裕子と一緒に過ごすことにした。
ところが、上倉裕子は寺林高司を見るなり、挙動不審な様子を見せた。
寺林高司は筒見明日香を殺害し、また自分を殴ったのは上倉裕子だと気付き逆上。
上倉裕子を絞め殺してしまった。
しかし、それは復讐からではなく、むしろ筒見明日香の首を切断するために彼女が邪魔になると考えたからだった。
そして発見を遅らせるために実験室に鍵を掛けて、公会堂へ戻り、筒見明日香の首を切断した。
つまりは、上倉裕子こそが筒見明日香を殺害し、寺林高司を殴った犯人だったのだ。
上倉裕子は密かに寺林高司に思いを寄せており、寺林高司と親密な関係ではないかと疑った筒見明日香を殺めたのだった。
そして、現場に偶然現れた寺林高司を殴り、寺林高司もまた殺害してしまったのだと思い込んでいた。
死んだと思った寺林高司が目の前に現れたため、上倉裕子は挙動不審な様子を見せていたのだった。
寺林高司は上倉裕子が犯人であると分かり、逆上。上倉裕子の命を奪ってしまう。
筒見紀世都の型取りを行うまでは捕まるわけにいかず、筒見明日香の殺害現場で倒れて、“犯人が殺害現場に留まるわけがない”という理屈を逆手にとった偽装工作で疑いの目を避けようとしたのだった。
なお、研究室の鍵を持っていたのは、筒見明日香の頭部切断の時間を稼ぐため、上倉裕子の遺体発見を少しでも遅らせようとしたためだった。
寺林高司は逮捕されることがなかったため、念願の筒見紀世都の型取りにも乗り出した。
寺林高司は入院して、警察に見張られていたが、病院を抜け出して通信販売でシリコンを購入する。
そして、筒見紀世都を倉庫のバスタブで感電死させ、全身の型を取った。
その証拠を消すために遺体を燃やし、筒見紀世都に筒見明日香と上倉裕子の殺害の罪を着せようとした。
ところが、萌絵たちが筒見紀世都犯人説に疑問を持ったため、襲ったのだ。
アパートに保管されていた筒見紀世都の全身の型を犀川が見つけ、事件の全容を推理して解決した。
▼エピローグ
事件から1年後…2人の子供を失った筒見教授は、自宅のジオラマを眺めて、見覚えのない2体の人形に気付いた。
1体は立った男性、もう1つは頭部が切断された女性を模したものだった。
筒見教授は、その人形が、筒見紀世都の作ったものだとすぐに分かった。
このことから、筒見紀世都は寺林高司の模型を作る計画について、全てを知っていたのではないか、と示唆するような最後で物語は幕を閉じる。
▼モデラの美学(?)について
模型を愛する「モデラ」と呼ばれる人たちの理想を、作る側、見る側、それぞれの個性を比較し、描写していると感じる。
寺林高司のセリフ:
「メス型というのは無限の可能性で、そこから生まれてくるすべてのモデルの
母。」
「完璧なメス型がほしかった」。
寺林高司が言うには、人を殺したとき、生から死へと向かう一瞬、残像のような美が見えた。
モデラが求めるのはプロセスで、形が移り変わる瞬間を見たいだけなのだと言っている。
なお、筒見紀世都も、生前には同じような彫刻家としての美学を語っていた。
▼「数奇にして模型」は
寺林高司と筒見紀世都の2人の共通点が“命題”となる
犀川は、首切り死体の謎に、首を切断する理由が人によって「異常」であるか「正常」であるかという「形に拘らない」発想で迫っている。
寺林高司と筒見紀世都の関係性が掘り下げられていないが、同じモデラ、芸術家としての思想に共感していたのではないか?
寺林高司と筒見紀世都の2人の共通点はこうした考えを持っていたのだろうと…。
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